タイトル: | 市民性を育てる生徒指導・進路指導 |
著者: | 望月一枝・森俊二・杉田真衣 |
大きさ: | 四六判 |
ページ数: | 240頁 |
定価: | 1,980 円(税込) |
ISBN: | 978-4-909655-43-1 |
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概要
本書は、シティズンシップ(市民性)を育む観点から生徒指導・進路指導について、学校現場でいきる知(実践知)を考えたいという目的で編んだ。特徴は、全国各地の教師が綴った実践記録、その実践記録を様々な教職経験をもつ者がどう読んだのか、という物語り的な記述方法にある。
市民性を育む観点とは、目の前の生徒の要求に応答しようすることから生成される。「人間的に生きてありたいという存在要求に応答して、その人が必要とし、要求している生活と生き方・在り方を共同してつくっていく営み」を通してこそ、市民性が育まれる。
本書の実践記録は教師が生徒にどう働きかけ、生徒がどう応答したのかが綴られている。教師は自分の経験知や暗黙知(語れる以上に知っている知)を総動員して行為している。生徒に応じた生徒指導、進路指導は、たやすくできることではない。自分だったらこの時、どうしただろうと考えながら本書を読むことをお勧めする。
目次
第1章 発達障がいをかかえた生徒から学校を見直す
[実践記録]アスペルガーの隆史から学ぶこと
[実践記録を読む]困っている子からホームルームづくりへ/「出会いなおし」と学校づくり
第2章 市民性を育てる
[実践記録]生徒がことばを持つ時~「スクールカースト」をくみかえる~
[実践記録を読む]応答関係が市民性を育てる/市民性を育てる
第3章 性の多様性
[実践記録]ユウキとクラスと英語劇〜セクシャルマイノリティーのいるクラス〜
[実践記録を読む]だれもが多様な性を生きる当事者として/トランスジェンダー生徒がいるクラスでの劇作り
第4章 いじめの問題とどう向き合うのか
[実践記録]いじめ事件を乗り越える
[実践記録を読む]いじめに立ち向かうために
第5章 生徒のトラブルに目を向ける
[実践記録]トラブルメーカーの葉子に担任の私が伴走して
[実践記録を読む]ホームルームをつくりながら生徒の成長を支える/支配的な関係から対等な関係へ
第6章 子どもの権利条約と生徒指導
[実践記録]8枚で謹慎 チケット制がなくなった日
[実践記録を読む]子どもの権利条約と生徒指導/支配ではなく指導をつくるために
第7章 自分の進路を考える
[実践記録]アルバイトの雇用契約書をもらってみる
[実践記録を読む]進路学習から「もう一つの社会」のあり方を探る~生徒が一人の労働者・市民に成長していくために~/キャリア教育における進路指導(個人指導)の要点