タイトル: | 学びの脱中心化~知的冒険としての学校教育研究~ |
編著: | 田本正一 |
大きさ: | A5判 |
ページ数: | 304頁 |
定価: | 3,300 円(税込) |
ISBN: | ISBN978-4-909655-46-2 |
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概要
本書は、議論、構成主義、状況学習論、正統的周辺参加、アクターネットワーク理論、ノットワーキング、実存と多岐にわたる。この多種多様な理論を確認することで新たな学校教育研究の地平を見出そうとするものである。こうした多種多様な理論を「脱中心化」という概念で括ることとした。第1部は、「議論・構成主義」の理論に基づく論考である。第2部は、「状況学習論・正統的周辺参加」の理論に基づく論考である。第3部は、「結ぶこと・実存」の理論に基づく論考である。
目次
第1部 議論・構成主義
第1章 コミュニケーション論的アプローチによるディベート教育
第1節 コミュニケーションの定義
第2節 教育目標と人間形成
第3節 コミュニケーション教育の実践
第2章 ディベート授業による市民の育成
-中学校社会科地理的分野単元「東南アジア」-
第1節 ディベートの原理
第2節 ディベート授業の実際
第3章 社会構成主義的アプローチによる授業開発
-中学校歴史的分野単元「産業革命」-
第1節 心理的構成主義による社会科学習の批判的検討
第2節 社会構成主義的アプローチによる学習の原理
第3節 社会構成主義的アプローチによる学習の実際
第4章 世界システム論を道具とする構成主義的授業の開発
-高等学校世界史単元「『先進国』・『発展途上国』は存在するか?」-
第1節 構成されたものとしての歴史
第2節 現代世界や歴史を切り取るための枠組みとしての理論
第3節 理論を道具として使った世界史学習
第4節 再構成のための道具としての世界システム
第5節 単元「『先進国』・『発展途上国』は存在するか?」の目標と内容
第2部 状況学習論・正統的周辺参加
第5章 ラーニング・パートナーとの協働的な学び
-市民的パフォーマンスを高める授業実践-
第1節 アプローチとしての正統的周辺参加論
第2節 ゲスト・ティーチャーからラーニング・パートナーへ
第3節 実践事例の概要
第4節 実践の省察
第6章 市民社会への参加としての学び
-中学校公民的分野単元の実践を事例として-
第1節 市民社会への参加としての社会科授業開発の原理
第2節 単元「成年年齢引き下げに向けて準備をしよう」の概要
第3節 単元「成年年齢引き下げに向けて準備をしよう」の実践と考察
第7章 生活世界の回復を目指す授業開発と学習評価の考察
-ハーバーマスのコミュニケーション理論を足場として-
第1節 コミュニケーションによる生活世界の出現の意味
第2節 正統的周辺参加論から捉えたコミュニケ―ションの中の語り
第3節 生活世界の回復を目指す公民科授業の実践
第4節 生活世界の回復を目指す公民科授業実践の分析
第8章 学びの基盤としての二人称的かかわりとその阻害
-中学校国語科授業実践の分析を事例として-
第1節 状況における二人称的かかわり学習の理論
第2節 状況における二人称的かかわり学習の授業実践の概要
第3節 状況における二人称的かかわり学習の授業実践の分析
第3部 結ぶこと・実存
第9章 アクターネットワークとしての複数世界の学習
-小学校社会科第5学年単元「自動車をつくる工業」-
第1節 先行研究の批判的検討
第2節 アクターネットワーク理論による社会科授業
第3節 授業の実際と考察
第10章 ノットワークによる身体化された学び
-専修学校における職場体験イベントの実践を事例として-
第1節 活動理論による社会形成とノットワーク
第2節 身体化の学び
第3節 身体化された学びのノットワーク
第4節 ノットを結ぶ者の拡張的学習
第11章 受験指導コンテクストにおけるダブルバインド
-高等学校「倫理」カリキュラムからの考察-
第1節 受験指導コンテクストの分析
第2節 受験指導コンテクストにおけるダブルバインド
第3節 意味づけの変容
第12章 主体的な学びについての実存論的検討
-本来的自己への変容としての学び-
第1節 近代的主体の形成
第2節 虚構としての主体
第3節 実存の本来性と非本来性
第4節 本来的自己への変容としての主体的な学び